SSH 第1期
(2005年~2009年)
「すべての生徒に高度な理数系教育を」
すべての生徒を対象として実施する課題研究講座において、
理系の生徒には、研究の基礎を体験させて将来科学者を目指すきっかけを与え、
文系の生徒には、生活の中に存在する題材について科学的な探究活動を体験させた。
全校体制での理数系教育という本校の基本姿勢は、SSH第1期の初年度より貫かれている。
第1期の主な目標と成果
理系コース対象
「Super Science Study(SSS)」
- 目標
- 高いレベルの課題研究を要求しながら未知の事象に関する研究などを経験させ、将来の科学者としてのスキルをあげる。大学等の専門機関と連携して、最先端の内容を扱う課題探究を実施する。
- 成果
- 大学や研究所における最先端の技術を使った実験や、教授などの専門家による専門性の高い課題探究のテーマに取り組むことができた。高大連携先の新規開拓が進んだことに加え、本校職員自らの手による講座運営への移行もできた。
普通コース・文系コース対象
「Future 21」
- 目標
- 身近な生活の中に存在する題材について科学的な探究活動を体験させ、科学社会に生きる人材を育成する。高い英語力を持つ生徒には、国際的英語科学論文に親しむ環境を提供する。
- 成果
- 理系に限らず文系の生徒にも体系的な理数系教育を行うことが可能であり、その手法を確立することができた。学校全体で理数系教育を展開することの相乗効果により、科学時代に生きる力を育むことができることが明らかとなった。
科学クラブ
「Super Science Club(SSC)」
- 目標
- 高い潜在能力を持つ生徒の可能性を最大に引き出すため、ハイレベルな科学探究活動を実施する。最先端の科学技術への取組意欲を高め、優れた指導性と科学的創造性に富む人材の育成を図る。
- 成果
- SSH指定以降、年度を重ねるに従い科学コンクール等での発表数や受賞数が増加した。一部の講座が突出した成果を出したことによる他の講座への波及効果は大きく、その手法は他の講座やチームに広がり、学校全体の活動が活発化した。
年次報告書のダウンロード
第1期 1年次 報告書(平成17年度・2005年)
第1期 2年次 報告書(平成18年度・2006年)
第1期 3年次 報告書(平成19年度・2007年)
第1期 4年次 報告書(平成20年度・2008年)
第1期 5年次 報告書(平成21年度・2009年)
第1期の特筆すべき研究成果
2006年 特別枠指定「全国SSH長崎コンソーシアム」
生物領域:「乾型耳垢型遺伝子の全国地図作成に関する研究」
- 「全国SSHコンソーシアムによる乾型耳垢型遺伝子による全国地図作成に関する研究」を提案し、31道府県33校が共同研究に参加した。(2006年)
- 「第1回全国SSHコンソーシアム長崎大会」を開催し、26道府県について耳垢型遺伝子の頻度を解析した。これらをまとめた「乾型耳垢型遺伝子による全国地図作成に関する研究」(第1年次中間報告)を作成した。(2006年)
- Newtonに活動の紹介記事が掲載された。(2007年1月号)
- 「第3回全国SSHコンソーシアム長崎大会」を開催し、全国遺伝子地図を完成させた。(2008年6月~8月)
- 「SSHコンソーシアムによる乾型耳垢型の全国遺伝子地図作成に関する研究」を日本人類遺伝学会第53回大会で発表し、会長特別賞を受賞した。(2008年9月)
- 「SSHコンソーシアムによる乾型耳垢型の全国遺伝子地図作成に関する研究」が産経新聞に掲載された。(2008年8月4日付)
- 北海道医療大学で講演を行った。
地学領域:「大村湾海底表層堆積物の研究」
- 長崎県内の高等学校が協力し、長崎県の中央部に位置する大村湾を対象に調査・研究を行った。
- 海底表層堆積物の粒度分析、鉱物組成分析、化学組成分析を通して、現在の堆積環境および過去30年間の堆積環境の変化を明らかにすることを目的に調査・研究を行った。
- 長崎大学環東シナ海海洋環境資源研究センター長・松岡數充教授、および、水産学部沿岸環境学研究室(松岡研)のみなさまにご指導・ご協力を頂いて調査・研究を行った。
2009年 中核拠点育成プログラム指定「長崎SSH科学プロジェクト」
長崎SSH共同研究プロジェクト
県内の高等学校による研究共同体を結成し、共通の研究テーマについて大学などの専門機関と連携して共同実験・研究会議を開催することによって、高いレベルの科学教育を展開した。長崎大学との連携で以下の2領域について実施した。
生物領域:長崎県の乾型耳垢型遺伝子の研究
地学領域:大村湾海底表層堆積物の研究
長崎SSHミュージアム
県内の教職員および専門家の間で情報交換ネットワークを形成し、科学教育に活用できるページ「長崎SSHミュージアム」をSSHホームページ内に立ち上げることによって、県内の科学教育実践の情報を収集し、効果的に活用した。九州大学や国立科学博物館との連携で実施した。
長崎SSHミュージアムの成果物の一つである長崎の昆虫電子図鑑(シーボルトコレクション)のページでは、シーボルトコレクションを通じて、長崎の昆虫を紹介した。昆虫の名前だけでなく、採集や飼育のしかたも掲載した。採集した昆虫の名前しらべや昆虫の研究テーマの発見などにも利用できるような構成とした。2011年8月に実施した、オランダ国立自然史博物館の取材調査記録も掲載してある。
長崎の昆虫電子図鑑(シーボルトコレクション)
長崎SSH科学教材バザール
長崎県の自然など、本県特有の科学教材の普及を図るため、高校教諭を中心とした研究グループが教材研究を行い、県内の先生方に教材を無償で提供する取り組みを行った。長崎県教育センターとの連携で実施し、同センターの研修講座にて希望者に教材を配布するなどの普及活動を行った。
- ボルボックス
- ミジンコ
- 淡水プランクトン など
科学コンクールの受賞歴
第1期 1年次 (平成17年度・2005年)
生物部(生物チーム)
- 日本学生科学賞県予選で最優秀賞を受賞(県1位)
- 日本学生科学賞全国審査で環境大臣賞を受賞(全国入賞)
- 長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で最優秀賞を受賞(県1位)
- 九州生徒理科研究発表大会で優秀賞を受賞
Mission各班の成果(授業における探究活動)
- 「光科学」班が、長崎県高等学校科学研究発表大会展示発表部門で優秀賞を受賞
- 「燃料電池・光触媒」「気象現象」「新エネルギー」「先進複合材」「色素増感太陽電池」「放射線」「炭素繊維」「組織培養」「色素増感太陽電池」の各班が、長崎県高等学校科学研究発表大会展示部門で優良賞を受賞
- 数学チームが、数学オリンピック予選に参加し、A合格1名、B合格4名
第1期 2年次 (平成18年度・2006年)
生物部(生物チーム)
- 高校生科学コンテスト(日本生体医工学会主催)で最優秀賞を受賞(全国1位)
- 日本学生科学賞県予選で最優秀賞を受賞(県1位)
- 日本学生科学賞全国審査で入選2等を受賞(全国入賞)
- 長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で最優秀賞を受賞(県1位)
- 九州生徒理科研究発表大会で優秀賞を受賞
Mission各班の成果(授業における探究活動)
- 「カオスの科学」班が、長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で優秀賞を受賞、九州生徒理科研究発表大会で優秀賞を受賞
- 「気象現象」「海洋生物」「色ガラスとスペクトル」の各班が、長崎県高等学校科学研究発表大会口頭部門で優良賞を受賞
- 「ピンホールカメラの研究」「旋光の研究」「組織培養」「燃料電池・光触媒」「有機合成化学」「新エネルギー」「先進複合材」「放射線」「表面の科学」「組織培養」の各班が、長崎県高等学校科学研究発表大会展示発表部門で優良賞を受賞
- 数学チームが、数学オリンピック予選に26名参加
- 「ロジックの科学」班が、九州地区中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)九州地区予選で優勝、第4回JDAディベート大会B部門で優勝
第1期 3年次 (平成19年度・2007年)
生物部(生物チーム)
- 「アルファルファタコゾウムシの研究」
- 第51回日本学生科学賞長崎県審査で最優秀賞を受賞(県1位)
- 第51回日本学生科学賞全国審査で環境大臣賞を受賞(全国入賞)
- 長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門最で優秀賞を受賞(県1位)
- 九州高等学校生徒理科研究発表大会で優秀賞を受賞
- 長崎県教育委員会表彰を受賞
- 「乾型耳垢型遺伝子による全国地図作成に関する研究」
- 日本人類遺伝学会第52回大会で会長特別賞を受賞
- 長崎県県民表彰団体特別賞を受賞
Mission各班の成果(授業における探究活動)
- 「海洋生物魚類」班が、長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で優秀賞を受賞
- 「身の回りのpH」「光科学」の各班が、長崎県高等学校科学研究発表大会展示発表部門で優秀賞を受賞
- 「先進複合材」「カオスの研究」「有機合成」「色ガラスとスペクトル」の各班が、長崎県高等学校科学研究発表大会口頭部門で優良賞を受賞
- 「医薬品の科学」「気象現象」「小動物」「ボルボックス」「放射線」「組織培養」の各班が、長崎県高等学校科学研究発表大会展示発表部門で優良賞を受賞
- 「先進複合材」班が、長崎総合科学大学公開講座講演会で研究発表を行った
- 数学チームが、数学オリンピック県予選に参加し、A合格が1名
- 「ロジックの科学」班が、第6回佐賀大学杯ディベート選手権大会(九州大会)日本語部門で3位を受賞
- 「サイエンスアーカイブ」班が、第6回佐賀大学杯ディベート選手権大会(九州大会)英語部門で3位を受賞
第1期 4年次 (平成20年度・2008年)
生物部(生物チーム)
- 全国SSH研究発表会(8月)で、ポスターセッション賞を受賞(全国入賞)
- 「アルファルファタコゾウムシの研究Ⅱ」
- 長崎県高等学校科学研究発表大会(英語発表) 口頭発表部門で優秀賞を受賞
- 九州生徒生物研究発表大会(英語発表)で優秀賞を受賞
- 「生き物みっけ」九州・沖縄ブロックフォーラムで発表
- 「ホロミジンコの研究」
- 「ホロミジンコの研究」が、朝日新聞に掲載(2008年7月18日付)
- 長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で最優秀賞を受賞(県1位)
- 九州生徒生物研究発表大会で優秀賞を受賞
物理部(物理チーム)
- 「カオスの研究」が、長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で優良賞を受賞
- 高いレベルの研究内容が評価され、「nature DIGEST」に特集記事が掲載
化学部(化学チーム)
- 長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で優良賞を受賞
- 九州高等学校化学研究発表大会で優秀賞を受賞
Mission各班の成果(授業における探究活動)
- 「海洋生物」班が、「流体力学から観た硬骨魚類の形態に関する考察Ⅱ」で長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門 優秀賞を受賞、日本水産学会春季大会発表高校の部で2位を受賞(全国入賞)
- 「小動物の研究(微生物)」班が、ボルボックスの培養に成功、長崎県高等学校科学研究発表大会展示発表部門で優秀賞を受賞、日本農芸化学会第35回化学と生物シンポジウムへ出場
- 「医薬品の科学」「地球科学(大村湾海底堆積物)」の各班が、長崎県高等学校科学研究発表大会口頭部門で優良賞を受賞
- 「触媒」班が、長崎県高等学校科学研究発表大会展示部門で優良賞を受賞
- 数学チームが、数学オリンピック県予選に22名が参加
- 「ロジックの科学」班が、第7回佐賀大学杯ディベート選手権大会(九州大会)日本語部門に出場
- 「サイエンスアーカイブ」班が、第7回佐賀大学杯ディベート選手権大会(九州大会)英語部門に出場
第1期 5年次 (平成21年度・2009年)
生物部(生物チーム)
- 「小動物の研究」淡水プランクトン班
- 平成21年度全国総合文化祭三重大会で優秀賞を受賞(全国入賞)
- JSEC2009 最終審査で協賛社賞(花王賞)を受賞(全国入賞)
- ISEF 国際学生科学・技術フェア(2010年5月:アメリカカリフォルニア州サンノゼ)に、サイエンスレポーターとしての参加が決定
- 長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で最優秀賞を受賞(県1位)
- 九州生徒生物研究発表大会
物理部(物理チーム)
- 「カオスの研究」班が、長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で優秀賞を受賞
- 九州高等学校科学研究発表大会に参加
化学部(化学チーム)
- 化学グランドコンテスト(大阪市大、府立大)でポスター賞を受賞(全国入賞)
- 長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で優良賞を受賞
- 九州高等学校科学研究発表大会に参加
- 化学まつり(日本化学会九州支部、長崎会場)でベストアイデア賞を受賞
地学部(地学チーム)
- 長崎県高等学校科学研究発表大会口頭部門 優良賞を受賞
- 九州高等学校科学研究発表大会に参加
Mission各班の成果(授業における探究活動)
- 「海洋生物」班が、長崎県高等学校科学研究発表大会口頭発表部門で優秀賞を受賞、日本水産学会春季大会高校生発表部門に参加
- 「小動物の研究」ボルボックス班が、長崎県高等学校科学研究発表大会展示発表部門で優良賞を受賞、ミニゲノム広場2009 in 福岡で発表
- 「医薬品の科学」「触媒」「地球科学」の各班が、長崎県高等学校科学研究発表大会口頭部門で優良賞を受賞
- 生物オリンピック1次予選に18名が参加し、2名が2次予選(広島大学)へ進出
- 化学オリンピック1次予選に19名が参加
- 地学オリンピック県予選に11名が参加