SSH 第3期
(2015年~2019年)
「教師主導から生徒主体への転換」
第2期まで行ってきた教師主導型の課題研究指導から、
生徒個人の発想に基づく課題研究の実践へとスムーズに移行することが求められた。
そのためには、生徒が「課題を発見する力」を身につけるプロセスの解明が必要不可欠となり、
「課題を発見する力を育成する」指導方法の確立にむけた研究開発が始まった。
第3期の主な目標と成果
課題研究の指導システムの確立
- 目標
- 「課題を発見する力を育成する」ための指導方の開発のため、理系における課題研究の指導法開発を継続し、科学系部活動と連携した課題研究の指導システムを確立する。
- 成果
- 「課題研究の進め方と科学論文の書き方」が完成し、その手法を実践した科学系部活動では、全国大会出場や世界大会への出場権を獲得するなど高いレベルで活動できた。授業での探究活動から論文発表につなげたことも特筆すべき成果である。
学校設定科目「FSC」
- 目標
- 全生徒の科学的リテラシー醸成のため、身近な生活に題材を求めた科学的探究活動の指導法開発と、融合科目「FSC:Future Science Curriculum」の研究・開発を行う。
- 成果
- 学校設定科目「基礎科学情報」「CLIL生物基礎」「物理と情報」「生物と情報」「地学と情報」を実施した。「課題研究の進め方と科学論文の書き方」は探究活動の指導にも有効であり、テーマ決めのための手引書として活用した。
英語による情報発信力の育成
- 目標
- 生徒の国際的な情報発信力育成のため、科学英語を主軸とした英語指導を強化し、高等学校普通科におけるグローバル教育の指導法を研究開発する。
- 成果
- 「CLIL生物基礎」を理科教諭とALTのTT形式で実施した。英語での学会発表や、ベトナムの生徒との研究発表の機会で、英語を活用する場面を持つことができた。
年次報告書のダウンロード
第3期 1年次 報告書(平成27年度・2015年)
第3期 2年次 報告書(平成28年度・2016年)
第3期 3年次 報告書(平成29年度・2017年)
第3期 4年次 報告書(平成30年度・2018年)
第3期 5年次 報告書(令和元年度・2019年)
特筆すべき研究成果
教材「課題研究の進め方と科学論文の書き方」の公開
- 科学英語や課題研究の進め方および科学論文の書き方に関する教材「課題研究の進め方と科学論文の書き方」を作成した。(平成31年4月)
- 本教材は、第3期4年次までに進めてきたカリキュラム開発および教材開発の過程で作成した成果物であり、生徒が自ら課題を設定して課題研究を進める手順を学ぶための教材として活用できる。
- 「課題研究ガイドブック」といえる本教材は、生徒と指導者の双方を対象としており、今後も改訂を継続する。
課題研究の進め方と科学論文の書き方(第3版)
How to proceed with task research and how to write scientific articles. (English)
新種「ナガサキアメンボ」の発見
- 新種「ナガサキアメンボ」の発見は文系女子3人による研究成果であり、60年ぶりの快挙である。
- 卵、幼虫、成虫ともに、大村湾の汽水に適応していることが証明された。
- The Canadian Entomologist[⧉] に記載され、2018年5月1日にオンライン出版された。
- 日本経済新聞 電子版に掲載された。(新種アメンボ60年ぶり発見 長崎の女子高生[⧉] 2018年5月30日付)
- SSH事業で講師依頼した安永智秀博士のご指導で新種記載ができた。
科学コンクールの受賞歴
第3期 1年次 (平成27年度・2015年)
物理部(物理チーム)
- 第23回衛星設計コンテスト最終審査会ジュニアの部で、日本宇宙フォーラム賞と審査委員長特別賞を受賞(全国入賞)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、最優秀賞を受賞(県1位)
- 日本水産学会春季大会に参加
化学部(化学チーム)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、優秀賞を受賞
生物部(生物チーム)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、最優秀賞を受賞(県1位)
地学部(地学チーム)
- 第4回高校高専気象観測機器コンテストで、佐々木嘉和賞と観客賞をダブル受賞(全国入賞)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、最優秀賞を受賞(県1位)
Mission各班の成果(授業における探究活動)
- 数学チームが、数学オリンピック県予選に23名参加
第3期 2年次 (平成28年度・2016年)
物理部(物理チーム)
- 第24回衛星設計コンテスト最終審査会ジュニアの部でジュニア奨励賞を受賞(全国入賞)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表優秀賞
化学部(化学チーム)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で優秀賞を受賞
- 日本化学会春季年会に参加
生物部(生物チーム)
- 第14回高校生科学技術チャレンジ(JSEC2016)で、文部科学大臣賞と花王特別奨励賞をダブル受賞(全国1位)
- 平成28年度SSH生徒研究発表会で奨励賞を受賞(全国入賞)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で優秀賞を受賞
地学部(地学チーム)
- 第5回高校高専気象観測機器コンテストで観客賞を受賞(全国入賞)
科学の甲子園チーム
- 「科学の甲子園」長崎県代表選考会で第1位となり、全国大会に出場
Mission各班の成果(授業における探究活動)
- 数学チームが、数学オリンピック県予選に39名参加
第3期 3年次 (平成29年度・2017年)
物理部(物理チーム)
- 第25回衛星設計コンテスト最終審査会ジュニアの部で、ジュニア大賞を受賞(全国1位)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で優秀賞を受賞
- 日本水産学会春季大会に参加
化学部(化学チーム)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で優秀賞を受賞
- 第20回化学工学会学生発表会に参加
生物部(生物チーム)
- ISEF2017 (Intel International Science and Engineering Fair)で、「オオアメンボの水面波への応答」がアメリカ音響学会賞佳作を受賞(世界大会入賞)
- 第15回高校生科学技術チャレンジ(JSEC2017)で花王特別奨励賞を受賞(全国入賞)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で最優秀賞を受賞(県1位)
- 九州高等学校生徒理科研究発表大会で優秀賞を受賞
地学部(地学チーム)
- 第6回高校高専気象観測機器コンテスト最終選考会に出場
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で優秀賞を受賞
第3期 4年次 (平成30年度・2018年)
物理部(物理チーム)
- 第26回衛星設計コンテスト最終審査会ジュニアの部で、「飛び出せ!フジイ折り」がジュニア大賞(全国1位)を、「衛星軌道可視化MRシステム『MOVE』」が宇宙科学振興会賞(全国2位)を受賞
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、「網目の形状変化に伴う網の通気性の変化」が最優秀賞を受賞(県1位)
- 九州高等学校生徒理科研究発表大会口頭発表で優秀賞を受賞(九州2位)
化学部(化学チーム)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、「モンテカルロ法を用いた溶液中における水素分子の挙動について」が優秀賞を受賞
- 九州高等学校生徒理科研究発表大会口頭発表で優良賞を受賞
- 第12回分子科学討論会2018福岡で発表
- 第99回日本化学会春季年会で発表
生物部(生物チーム)
- 第16回高校生科学技術チャレンジ(JSEC2018)で、「謎に満ちた地表徘徊性ハシリカスミカメムシ類の生態(とくに発音と闘争)を解明そして飼育技術を開発したサクセスストーリー」が科学技術政策担当大臣賞を受賞し、Intel ISEF 2019 への出場が決定(全国2位)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、「謎に満ちた地表徘徊性ハシリカスミカメムシ類の生態(とくに発音と闘争)を解明そして飼育技術を開発したサクセスストーリー」が最優秀賞を受賞(県1位)
- 九州高等学校生徒理科研究発表大会口頭発表で最優秀賞を受賞(九州1位)
地学部(地学チーム)
- 第7回高校高専気象観測機器コンテストに出場
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、「長崎港における水塊の挙動」が優秀賞を受賞
- 九州高等学校生徒理科研究発表大会口頭発表で優良賞を受賞
Mission各班の成果(授業における探究活動)
- 「生命の科学」講座で執筆した論文「長崎市の園地(原爆落下中心地付近)においてケヤキなどに生息するカメムシ類」が日本半翅類学会の会誌 Rostria[⧉] に掲載
第3期 5年次 (令和元年度・2019年)
物理部(物理チーム)
- 第27回衛星設計コンテスト最終審査会ジュニア部門で、「地球公転軌道上 スペースVLBI衛星」が宇宙科学振興会賞を、「ねじれない折りを用いた立体建造物」がジュニア部門奨励賞を受賞(全国入賞)
- 令和元年度全国総合文化祭(2019さが総文)で、「網目の形状変化に伴う網の通気性の変化」が文化連盟賞を受賞
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、「板の形状による空気抵抗の変化」最優秀賞を受賞(県1位)、展示部門で「薄型パラボラアンテナの開発」が優秀賞を受賞
- 九州高等学校生徒理科研究発表大会口頭発表、および展示発表で優良賞を受賞
- 缶サット甲子園2019九州地方大会に参加
化学部(化学チーム)
- 第13回分子科学討論会2019名古屋で、「塩化ナトリウムと水のクラスターに関する理論的研究」を発表
生物部(生物チーム)
- Intel ISEF2019(アメリカ・アリゾナ州フェニックス)で、見事、スペシャルアワード:アメリカ音響学会賞1等およびグランドアワード:動物科学部門優秀賞4等のダブル受賞(世界大会入賞)
- 令和元年度全国総合文化祭(2019さが総文)で、「謎に満ちた地表徘徊性ハシリカスミカメムシ類の飼育技術の開発とともに解明された生態(とくに発音と闘争)について」が奨励賞を受賞(全国入賞)
- 令和元年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会で、「謎に満ちた地表徘徊性ハシリカスミカメムシ類の飼育技術の開発とともに解明された生態(とくに発音と闘争)について」が奨励賞を受賞(全国入賞)
- 長崎県科学研究発表大会口頭発表で、「昆虫の飛翔に関する研究 ~ホバーリングのしくみについて~」が最優秀賞を受賞(県1位)
- 九州高等学校生徒理科研究発表大会で、「昆虫の飛翔に関する研究 ~ホバーリングのしくみについて~」が優秀賞を受賞
地学部(地学チーム)
- 長崎県科学研究発表大会展示部門で、「長崎港における水塊の挙動」が奨励賞を受賞