監修のことば

 「長崎SSHミュージアム」は、科学教育に必要な長崎でみられる生きものの生態情報や分布情報などを県内の教職員および専門家の間で共有できるようにすることを目的としています。この目的を達成するためには、まず、正確な名前(分類情報)を知ることが必要になります。しかし、市販されている図鑑は日本全体に分布する種を多く扱っているために、長崎でみられる生きものを調べるにはあまり適していません。また、昆虫のように種数が多い生きものは、最近注目されている生物多様性の教材として最適であるにもかかわらず、名前を調べることがとても大変なために教材としてほとんど利用されていません。このような理由から、「長崎の昆虫電子図鑑」を作成することとなりました。

 鎖国時代から唯一世界に扉が開かれていた長崎には、ケンペルをはじめとして多くの生物学者が訪れました。その中でも、とくにシーボルトの功績が広く知られています。例えば、ナガサキアゲハは、シーボルトが長崎などで採集した標本をもとに新種記載されています。そこで、「長崎の昆虫電子図鑑」では、県内にいるすべての昆虫を図鑑化するための第一歩として、オランダのライデン自然史博物館に保存されているシーボルト・コレクションの439種について現代の長崎県産の標本を用いて電子図鑑化しています。

 本電子図鑑は、標本の採集・写真撮影から昆虫採集の方法等に関する解説文の執筆、ウェブサイトの構築などの大変な作業によってできあがりました。これから後も、ホームページ「長崎SSHミュージアム」の中で更新を重ねながら使いやすい図鑑にしていきます。そして、この電子図鑑が教材として広く利用されるとともに、現在と約180年前の長崎や日本の自然の変化を考えるきっかけにもなることを期待しています。

 

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【監修・指導】
  ★ 野村周平(国立科学博物館動物研究部研究主幹)
  ☆ 紙谷聡志(九州大学農学研究院昆虫学分野准教授)

【執筆】
  ★ 田中 清(諫早商業高等学校 教諭)
  ☆ 紙谷聡志(九州大学農学研究院昆虫学分野准教授)
  ☆ 柴原克己(上対馬高等学校 教諭 逝去されました)
  ☆ 松尾照男(西海学園高等学校 教諭)
  ☆ 井上真一(諫早高等学校 教諭)

【編集】
  ★ 長嶋哲也(長崎西高等学校 教諭)
  ☆ 近藤孝司(長崎西高等学校 教諭)
  ☆ 江口武志(長崎西高等学校 教諭)

【協力】(写真・標本の提供)
  ☆ 石川忠(東京大学)
  ☆ 中村剛之(弘前大学) 
  ☆ 三宅武(大分昆虫同好会) 
  ☆ 今坂正一(今坂&E-アシスト代表) 
  ☆ 佐々木茂美(大分昆虫同好会) 
  ☆ 久村敏史((株)エコプラン研究所) 
  ☆ 野田正美(歯科医師・長崎昆虫研究会)
  ☆ 山元宣征(長崎昆虫研究会)
  ☆ 青木良夫(長崎昆虫研究会)
  ☆ 伊藤雅男(長崎バイオパーク)
  ☆ 深川元太郎(長崎県食品衛生協会)
  ☆ 山口浩司(大崎高等学校 教諭)
  ☆ 山本啓弘(長崎昆虫研究会)
  ☆ 井手竜也(国立森林総合研究所) 

【オランダ国立自然史博物館取材調査】
  ☆ 矢口隼(長崎西高等学校生物部)
  ☆ 田中千聡(長崎西高等学校生物部)
  ☆ 中尾 元(長崎西高等学校)
  ☆ 本村 昇寛(長崎西高等学校)
  ☆ 三浦 雄介(長崎西高等学校)
  ☆ 森 秀世(長崎西高等学校)
  ☆ 磯 彩夏(長崎西高等学校)
  ☆ 魚谷 周平(長崎西高等学校)
  ☆ 澤本 直希(長崎西高等学校)
  ☆ 水戸 航旗(長崎西高等学校)
  ☆ 近藤 彩奈(長崎西高等学校)
  ☆ 篠原 真智子(長崎西高等学校)
  ☆ 宮本 遼平(諫早高等学校)
  ☆ 松尾 翔大(諫早高等学校)
  ☆ 森田 瑞喜(諫早高等学校)

 

【共同研究】
  オランダ国立自然史博物館(ナチュラリス:Nationaal Natuurhistorisch Museum:Naturalis) 


  ★:責任者

 

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