和名 ジャコウアゲハ
学名 Atrophaneura alcinous (Klug, 1836) ( = Byasa alcinous )
分類 鱗翅目アゲハチョウ科
♀
♂
この虫の特徴 開翅長90㎜~110㎜程度.♂は全体が黒色,♀では黄灰褐色である.体の側面が赤く,後翅の裏面に赤い斑紋が7個ある.和名は♂を捕獲すると麝香(じゃこう)のような匂いを出すことに由来する.
生活史 ウマノスズクサ科の草本を食害しながら成長する.冬季は蛹で越冬する.ウマノスズクサ類にはアルカロイドの一種のアリストロキア酸という毒が含まれているので,幼虫や成虫の体内に蓄積している.このため,捕食者は食べると吐き出してしまう.
えさ 花の蜜
出現時期 4月~8月(3回発生)
分布 本州(秋田以南)~九州(対馬,五島,県本土)
詳細 幼虫の体は円筒形で黒く、腹部第3~4節に白い横帯が並んでいる。蛹(さなぎ)は変わった形をしているので,俗にオキクムシ(お菊虫.番町皿屋敷のお菊の幽霊に由来)とよばれる.
先にも述べたように,本種は食草の毒を体内に持っており,鳥、カマキリ、などの捕食者は食べない.このことを,外敵から身を守るために利用している(本種に擬態している)のがアゲハモドキ(Epicopeia hainesii),という蛾(が)である.
シーボルトコレクション 1820年代にシーボルトが日本で集めた昆虫標本は,現在,オランダ国立自然史博物館(NCB Naturalis)に収蔵されている.以下の写真は,長崎SSH科学プロジェクトの調査団が,2013年に同博物館で取材したものである.
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記載・写真:田中 清
写真(シーボルトコレクション):紙谷 聡志, 長嶋 哲也