和名 キタテハ
学名 Polygonia c-aureum (Linnaeus,1758)
分類 鱗翅目タテハチョウ科
この虫の特徴 ♀♂翅表は黄褐色の地色に黒紋を持ち,裏面は褐色で波状の斑紋を有す.色彩や斑紋は♀♂ほとんど同じで,肉眼での♀♂の確認は熟練を要する.♀♂斑紋がほぼ同じタテハチョウ科の各種は,交尾器の精査をおこなわずとも前脚の構造で♀♂の同定ができる.
生活史 越冬態は成虫で,県内では早春でも海岸線は暖かいため,陽光に誘われて飛び交っているのを見ることがある.食草はクワ科のカナムグラで,ときに群落を作るこの植物の回りで各種の花に吸蜜したり,樹液に集まったりしている.成虫の飛び方はタテハチョウの仲間のわりにはゆるやかに滑空飛翔し,遠くからでもなれると本種と判別できる.
えさ 花の蜜
出現時期 5月~11月
分布 北海道~九州(県下全域)
よく似た種類との区別 同属のシータテハとよく似ており,特に秋に出現する個体は同定に注意を要する.シータテハは本種に比べて高地性の種である.
シーボルトコレクション 1820年代にシーボルトが日本で集めた昆虫標本は,現在,オランダ国立自然史博物館(NCB Naturalis)に収蔵されている.以下の写真は,長崎SSH科学プロジェクトの調査団が,2013年に同博物館で取材したものである.
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記載:松尾 照男
写真:田中 清,松尾 照男
写真(シーボルトコレクション):紙谷 聡志, 長嶋 哲也