和名 サトキマダラヒカゲ
学名 Neope goschkevitschii (Menetries,1857)
分類 鱗翅目ジャノメチョウ科


この虫の特徴 開翅長60㎜程度.♀♂での斑紋の差は少ないが,♂では前翅中央に性標(特殊な鱗粉群)をもっている.春先に出現する個体は,地色や斑紋が夏に出現する個体よりも暗化する傾向があり,小型である.

生活史 北海道から九州まで普遍的に分布している.樹林帯の近傍に多く,樹幹や建物の壁面などに止まる習性を持つ.クワガタムシ採集などの糖蜜トラップなどにもよく集まることが知られる.幼虫はメダケやマダケ,モウソウチクなどを食草としているが,ササ属の植物やイネ科も食草としている.冬は蛹で越冬している.

えさ 花の蜜

出現時期 4月~9月

分布 北海道~九州(県本土)

よく似た種類との区別 サトキマダラヒカゲに似た種には,標高によって生息場所が異なっているヤマキマダラヒカゲがいる.長崎県でも五ヶ原岳で採集された記録があるが,斑紋のパターンなど酷似しており注意を要する.一般にヤマキマダラヒカゲは高標高の場所に生息しているが,サトキマダラヒカゲもそのような場所まで分布することもあり,そのような場所での本種の採集同定は困難である.ヤマキマダラヒカゲの食草はササ属が中心となっているため,高標高の場所に生息する要因と考えられている.

 

シーボルトコレクション 1820年代にシーボルトが日本で集めた昆虫標本は,現在,オランダ国立自然史博物館(NCB Naturalis)に収蔵されている.以下の写真は,長崎SSH科学プロジェクトの調査団が,2013年に同博物館で取材したものである.

 

シーボルトコレクションのすべての写真の著作権は,オランダ国立自然史博物館(NCB Naturalis)にある.
ここに表示したシーボルトコレクションの写真は,オランダ国立自然史博物館の写真利用許可を得たものである.
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The copyright of the photos and or compilations of the photos taken from the "Von Siebold" collection remains with NCB Naturalis, Leiden. All the photos of the "Von Siebold" collection are permitted under the agreement between NCB Naturalis and Nagasaki SSH Science Project. Don't use or copy any images.

 

記載:松尾 照男

写真:松尾 照男  田中 清

写真(シーボルトコレクション):紙谷 聡志, 長嶋 哲也 

 

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