和名 ハラビロカマキリ
学名 Hierodula patellifera (Serville, 1839)
分類 カマキリ目カマキリ科
この虫の特徴 体長45㎜~70㎜程度.体色は緑色が一般的であるが,褐色型や前翅が緑色で体が紫褐色の両色型も見られる.和名「ハラビロカマキリ」(腹広螳螂)が示すように,やや太めの体型で前脚の基部に数個の黄色をしたイボ状突起を持つことが特徴である.林の樹木上や林縁の草地,人家の庭などで見られ,他の昆虫などを捕食する.♀は♂より大型で腹部がさらに幅広く,♂は後翅が半透明である.カマキリの体内に寄生する寄生虫としてハリガネムシが知られている.成虫の腹部を強く押したり,水で濡らしたりするとハリガネムシが出てくることがある.ハリガネムシが脱出した成虫は急激に衰弱して死ぬことが多い.ハラビロカマキリの成虫にはハリガネムシの寄生がよく見られる.
生活史 秋になると樹上などに多数の卵が卵鞘(らんしょう)の中に産み付けられる.卵鞘は卵と同時に分泌される粘液が泡立って形成される.この状態で越冬し、5月になると多数の幼虫が羽化する.幼虫は小昆虫を捕食しながら成長(脱皮)して成虫となる.
えさ 昆虫など
出現時期 8月~11月
分布 本州~九州(県下全域)
記載:田中 清
写真:長嶋 哲也