「長崎県の昆虫電子図鑑(シーボルトコレクション)」は,シーボルトコレクションの昆虫439種のうち,現在の長崎を中心に生息する411種の昆虫を対象として,その標本写真と生態写真を紹介し,生態的特徴を解説するものである.図鑑としての活用がしやすいように,①写真で調べる ②名前で調べる ③グループ名で調べる といったレイアウトを作成した.この機能によって,書物の昆虫図鑑に比べ,はるかに検索スピードが速くなった.オランダ国立自然史博物館で調査・取材したシーボルトコレクションの実物の写真と,「JAPAN」と書かれた180年以上前の標本ラベルの写真を追加して,学術的により価値のある図鑑となっている.
第2回オランダ国立自然史博物館の取材調査では,長崎西高等学校の生徒5名と昆虫専門家を含めた調査団を編成した.
シーボルトコレクションのリストを確認し,コレクションの標本を写真撮影.
撮影される標本の情報を詳しくメモしていく.
メモの枚数は膨大な量に・・・・
撮影作業は重労働,記録メモの作成も神経をとがらす・・・・・
シーボルトコレクションの標本は専門家しか扱えないので,今にも壊れそうな180年前の標本を扱う作業をじっと見守る.
撮影した標本の情報メモは別の研究室へ・・・・・・・
撮影した昆虫標本の情報を,博物館のデータベースに記録.
博物館の専門スタッフとの共同作業.
オランダの人たちはきれいな英語を話していた.第一回調査の経験から,今回は通訳を雇用しないで自分たちの英語力を頼りに調査に挑戦した.
撮影した写真は合計で120ギガバイトを越えた.今回の調査ではシーボルトコレクションの昆虫439種のうち166種である.その中には、赤いラベルが付いたタイプ標本も含まれた.そして,これまで知られていたリストに記載されていない種を4種発見したことは、大きな収穫であった.
これらの写真は,「長崎の昆虫電子図鑑シーボルトコレクション」に加筆した.
9時から5時までの博物館調査が終わったら,自由時間・・・・・ もちろん,自分の英語力で町に繰り出す.
オランダ国立自然史博物館取材調査記録
期間 平成25年8月10日(土)~ 8月18日(日) 8泊9日
場所 オランダ国立自然史博物館(ナチュラリス:Nationaal Natuurhistorisch Museum:Naturalis)
調査団構成
① 生徒(長崎西高等学校 2年 女子1名 男子4名)
中尾 元 本村 昇寛 三浦 雄介 森 秀世 磯 彩夏
② 引率教諭(長崎西高等学校 指導教諭)
長嶋 哲也
③ 調査団専門家
九州大学農学部昆虫学教室 准教授 紙谷 聡志
諫早商業高等学校 教諭 田中 清
調査記録
8月12日(月)
シーボルトコレクションの昆虫標本の撮影・記録
今回は2回目の調査で、その内容を博物館側も把握していたので1日目から撮影・記録を実施することができた.
8月13日(火)
シーボルトコレクションの昆虫標本の撮影・記録
ハチのグループを中心に撮影した..
8月14日(水)
シーボルトコレクションの昆虫標本の撮影・記録
クワガタムシをはじめとして甲虫類を撮影記録した.
8月15日(木)
シーボルトコレクションの昆虫標本の撮影・記録
チョウの仲間を撮影記録した.
8月16日(金)
シーボルトコレクションの昆虫標本の撮影・記録
撮影したデータ量は100ギガバイトを超えた.