最近，高等学校で盛んになりつつある課題研究授業，個人あるいはグループで研究を行っている小中高生，自然科学系のクラブ活動…これらの中には，専門学術誌への掲載するのは難しいながら，将来性の見込める萌芽的研究あるいは，地域的な科学振興や環境保全に資するデータなどが相当量存在すると考えられます。
しかしながら，こうした貴重ともいえる研究成果は，世に出ることなく埋もれてしまう例が少なくありせん。折角の努力が何らかのかたちで報われる機会に恵まれない現況は，真摯に研究に取り組んだ青少年たちの，理科への興味や希望を削ぎこそすれ，決してプラスには作用しないと思われます。
若者たちの科学雑誌(SJYN)は，青少年自身（ここでは小学校高学年から学部学生程度の年齢層を想定）による，完成には至っていないが伸びしろのある研究，地域に貢献する自然環境の調査データ（動植物相，地質，水質など），過去の研究の検証といったものを，原著論文 (original article)，観察・実験ノート(short note, topic)，総説(review)のかたちで電子出版する機会を無償で提供します。もちろん，完成度の高い論文も大いに歓迎します。
研究が実際に出版されて広く認識されることにより，研究活動に手を染めた若者たちがさらに科学への興味を深め，あるいは読者から批評を受けることによって，研鑽・向上のモチベーションを高揚させ，ひいては日本の自然科学の底上げに寄与する機会を増幅させることも，本誌の遠大な目標です。